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2013.09.19 花山太右衛門商店

花山太右衛門のはじまりのお話

創業からなんと300年の歴史を持つ宮城県大崎市岩出山の「花山太右衛門商店」。
「地元の人にとっては、子供の頃からの普通のおやつなんでしょうね。誰にとっても『生まれた時からある店』ですから」と店主の花山香織さん。

岩出山出身で東京で働いていて、帰省すると必ず酒まんぢうを食べに来る、そんな常連さんもいるとのこと。まさにこの町のソウルフードといったおもむきです。

花山太右衛門商店酒まんぢう

伊達政宗公の子孫
村泰公が開かせた饅頭屋

青年伊達政宗公が、米沢より岩出山へと移封されたのは、天正19(1591)年のこと。当時奥州の検知を行っていた徳川家康公が、この地に40日間滞在し、城の縄張りや改修を行い、伊達政宗公へ引き渡したと伝えられています。

以後、仙台城築城までの間、伊達政宗公は岩出山で暮らすこととなったのですが、政宗公が仙台に移り住んだ後も、四男の宗泰公を祖にして、岩出山伊達氏がこの地を治めることになりました。

そしてその4代目・伊達村泰公が京へ行ったおり、饗せられた饅頭をいたく気に入ったというところから、岩出山の酒まんぢうの歴史が始まります。

伊達村泰公は、わざわざ饅頭職人・太右衛門を大阪から岩出山へと連れ帰り、「花山」という姓を与え饅頭屋を開かせるのです。

そしてこれが大当たり。

饅頭に濁酒を入れるという今に受け継がれる独特の製法もこの頃からのもので、300年近く変わっていないというところも、酒まんぢうのひとつの魅力です。

十五代目
女性当主のこだわり

現在、十四代目まで続く花山太右衛門商店。次の十五代目も、すでに饅頭作りの一切を任され製造に励んでいます。
ちなみに十五代目の当主こそが花山香織さん。

そう女性当主です。

花山太右衛門商店店主

「酒まんぢうに関しては、いかに変えずに伝統を守っていくか。そこはほんとうにプレッシャーです。
十五代目で味が変わったなんていうことはあってはならないですから。しかもうちの酒まんぢうは、素材も作り方も原料もほんとうにシンプル。
添加物は一切使っていませんので、その日の天気、気温などを見ながら小麦粉の量や蒸す時間などを微妙に調整しながら仕上げていかないと、いつもと同じ饅頭にはなってくれません」と花山さん。

日々、製造現場において300年の伝統の味と真剣勝負を繰り返しています。

酒まんぢうの
おいしい食べ方

酒まんぢうは添加物を一切使用せずに、小麦粉と酒(濁酒)のみで皮を作り、中に餡を入れて蒸す実にシンプルな饅頭。
普通の酒(アルコール15~16%)では、独特の酒のまろやかさは出ません。
アルコールを4%に減らした濁酒、いわゆるどぶろくがあってはじめて完成します。

それゆえ子供でも卵アレルギーの方でも安心して食べられるのです。

また炭の火で発酵させるという創業以来の方法も、重要な要素のひとつ。
これにより皮の味が格段によくなります。

「通販などで冷凍の酒まんぢうを購入された方は、蒸してそのまま食べるのはもちろん、天ぷらのように揚げて食べるのもおすすめですよ。酒まんぢうに香ばしさが加わり、とてもおいしいんです。私もこの食べ方でよく食べています(笑)」
と花山さん。

実際に店で揚げてもらいましたが、アツアツの油の中に衣をつけた饅頭を入れるだけなので調理は簡単。それでいて、饅頭の甘さと天ぷらの相性がとてもよく、正直1個や2個では食べ足りないくらいのおいしさです。

伝統の酒まんぢうを
和のスイーツにも。

花山太右衛門商店

酒まんぢう、というと大人の饅頭という印象だが、ここ岩出山地区ではさにあらず。 もともとアルコール度数が低い濁酒をつかっていることもあり、子供が食べてもだいじょうぶ。というわけで岩出山では、子供がふらりと店に入ってきて酒まんぢうを1,2個購入、店の外などで頬張る姿が普通に見られます。

伝統を守っていく、その姿勢は少しも変わることはない。

プレッシャーとはいえ、そこへのアプローチはやりがいもたくさんある。ただ、十五代目の当主となる花山香織さんは、伝統の酒まんぢうをちゃんと残しつつ、別な商品の開発も少しずつできないか、という思いがあります。

ちょっとかわいい和のスイーツ、酒まんぢうのバリエーションなど、女性ならではの視点から、ユニークなスタイルの饅頭が将来誕生するかもしれません。

「お客様の反応とか声を聞きながら、いまは店頭限定で、ちょこちょこと出している程度。でも将来、商品化とかできたらうれしいですね」

十五代目当主の夢は拡がるばかりです。

花山太右衛門商店
花山太右衛門商店
創業約300年の花山太右衛門商店。
看板商品「酒まんぢう」は全国菓子大博覧会にて名誉大賞受賞の名品。
昔ながらの作りで、添加物も一切不使用。
まんぢうの味を落とさないために
天気や気温に合わせて
小麦粉の量や蒸す時間を調整。

約300年の伝統の味を守るために
日々努力は怠らない。

住所|宮城県大崎市岩出山字二ノ構147番地
電話番号|0229-72-1004
http://www.hanayama-manjyuu.jp/
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