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2013.10.03 稲庭うどん さとう

稲庭うどん さとう誕生秘話

秋田県湯沢市にある稲庭地区。江戸時代初期からのうどんの産地である。
滑らかな食感、ほどよいコシ、豊かな小麦の風味......
いつしかその名は全国に知れ渡り、四国の讃岐、名古屋のきしめんと共に、日本三銘うどんのひとつに数えられるようになる。

日本三大麺稲庭うどん

現在も湯沢市は稲庭うどんのメーカーが多数存在する一大うどん産地。
そうした土地に「稲庭うどん さとう」の創業主であり、うどん職人である佐藤広明さんは生まれました。

父・佐藤養悦は稲庭うどんのトップブランドである、佐藤養助の六代目の長男。その後、自ら「養悦本舗」を立ちあげ、地元で人気の稲庭うどんメーカーに育てていく。
広明さんは、幼い頃から父のうどん工場で遊ぶのが日常であったという。
そして自然と稲庭うどんの職人への道を進んでいく。

稲庭うどん温麺

2002年、今度は自ら「稲庭うどん さとう」を立ちあげ、父と同じ道を歩ことを選ぶ。

「若かったのもあった。自分が職人としてどれくらいできるか、ちょっと天狗にもなっていたのかな(笑)」その頃を広明さんは笑いながら振り返ります。

手頃な価格で最高の味を届けたい

「東日本大震災のあと、湯沢でもスーパー、コンビニなんかからゴゾッと食品が消えた。それはすごかった」広明さんは震災の時を振り返りそう話しました。

「しかし」

と、その後の言葉を悔しそうに飲みこむ。
広明さんが目にしたのは、スーパーにおいて、ほとんどカラになっている食品棚にあって、ポツンと取り残された稲庭うどんの束だった。

「稲庭うどんは、他の乾麺と比べると高い。それは僕もそう思っている。でもあの食料がない時にも消費者から選ばれないって、「どうなの?」って思うと、正気つらかったね」 これではいけない、広明さんは心底そう思ったという。

どんなにおいしくても高くては消費者に届かない。
もちろん安くてマズイのも論外。

適正な価格で、おいしい稲庭うどんを食べてもらいたい。広明さんはその思いを震災時に強くしたといいます。

完全手作りにこだわる理由とは?

現在、「稲庭うどん さとう」の製造現場にいるのは2人。
かつて、といっても広明さんが生まれる前にまで遡る「かつて」だが、稲庭うどんはほとんどどが家内工業で、手作りでつくられていました。

稲庭うどんの製麺風景

しかし、経済の高度成長により機械化の波が稲庭うどんにも押し寄せてくる。今では、昔のような伝統的手法で作っているメーカーの方が少ないくらという。

「だから2人。私と妻で、全工程を完全に手作りしています。お客様も安心かもしれませんが、なにより僕らが納得できる。全てを自分の管理下で生産し、仕込みから仕上げまで、自分の全責任でできる」

ただ、完全手作りゆえ、もちろん大量生産は不可能。仕込みから完成までは4日間で1日の平均生産数はおおよそ200食。さらに、うどんにとって条件の悪い日は、生産をしないという徹底ぶりを貫いています。

伝統がベストとは限らない
だから妥協しない

バラつきをなくす、いつ食べてもおいしい、広明さんが心がけるのは、誰にいつ食べてもらっても「さとうのうどんはおいしい」と言ってもらえるような安定感。
そのために4日間の工程というのを徹底的に守り、これまで稲庭うどんを作ってきています。

稲庭うどんさとう

「でも同じやり方だけにこだわっているわけではないんですよ。常に、いい方法はないかと考えています。4日間の工程で今はやっているけど、それがいちばんおいしくできる方法だと思っているから。2日でベストな状態になるのであれば、そうする。ただ、妥協はしたくない。常にベストな方法を選んでいくことが大事です」

そういう姿勢で作られる稲庭うどんさとうは、地元の常連客も多い。
いわば稲庭うどんを食べ慣れた人たちに支持されているのだ。

夫婦ふたりだから
できること

現在は稲庭うどんだけを生産しているが、近い将来、素麺にも挑戦したいと広明さん。
体が動くうちに、いろいろなことに積極的に取り組み、挑戦し続けていきたいそう。
それでもまだ人は増やさない。
夫婦2人の体制でやっていく。

全行程手作り稲庭うどんさとう

広明さんは自分で作った稲庭うどんを、必ず最後にその食味を確かめることで終わる。
そうしなければ安心して包装できないそう。

今日も、湯沢のおだやかな自然に囲まれた中、広明さんはうどん練り、綯い、そして延ばし、先達から受け継がれてきた、伝統の稲庭うどんを作っています。

稲庭うどん さとう
稲庭うどんさとう
主人である佐藤広明さんは
稲庭うどんのトップブランド
「佐藤養助」の六代目を祖父
その長男である佐藤養悦氏を父に持つ。
稲庭うどん生産の機械化が進む中
うどん作りの工程全てを
手作業で行っている。

プロの料理人が「まったく別物」と納得する
蕎麦のようなのど越し。
取扱店が限られており
いまでも秋田県外ではほとんど手に入らない。

住所|秋田県湯沢市岩崎字松浦48-2
電話・FAX|0183-72-4123
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