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2015.11.14 田伝むし

農薬・化学肥料不使用...美田の守人がつくるうまし米

古来から北上川沿い流域の肥沃な大地は米の名産地として知られています。
石巻市の旧河南地区で農業を営む木村農園も、北上川の恩恵を受けながらこれまで農業を続けてきました。

2010年には法人化、「田伝むし」という組織にし、これまでの農薬不使用でササニシキをつくるスタイルを踏襲しながら『よりおいしい米』・『健康に良い米』をつくることに取り組んでいます。
そんな田伝むし代表である木村純さんに話をうかがいました。

収穫量ではなく、獲れた米の質が大事

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「無農薬」というのは前からよく聞きますが、「無肥料」という単語は一般にはなじみがないかもしれません。田伝むしの木村さんは、石巻で20年以上続く米農家。先代の頃から、農薬不使用のササニシキづくりに取り組み、豊かな土壌をつくりあげました。

木村さんは、それをさらに進め、農薬・化学肥料を一切使わないどころか、無肥料という形での米づくりも始めました。 「現在、田んぼは無肥料の田と、菜種油のかすを搾った自然肥料を与えたものと半々くらいですかね。無肥料だけでもつくれるのですが、自然肥料で米の質をあげてくれるものがあれば、それは使っていきたいとも思っています」。 木村さんはすでにある一定以上の評価を得ている米農家ですが、それでもなお、良い米をつくれないかと模索しています。

「良い米づくりに答えやゴールはないですよ」と木村さんは笑顔で話す。
その言葉の裏には、買ってくれる消費者のために、なにより「米の質が大事」という揺るがない信念があります。

子供が安心して食べられる米をつくってこその米農家

「農薬」というと、田植えをしたあとの除草剤、防虫剤などを思い浮かべる人が多いでしょう。
でも実際はそれだけではありません。

一般の農家では苗づくりの段階から真っ青な「農薬プール」に苗をつけるところから、米づくりが始まります。そうした農薬漬けの田んぼには、残念ながら木村さんが大事にしている「微生物」が棲んでくれません。

田伝むしが手がける田んぼには、害虫的な虫がほとんどいない。
いるのはカエルをはじめ、ヤゴ、アメンボウ、ゲンゴロウなど、山里でかつて普通に見かけた生き物たちの姿です。彼らがいてくれるのは、すべて土の良さからきます。土を守るのは微生物や良質な菌たちです。とはいえ、毎年、害虫が田んぼにつかないかといえばそうはならない。

「虫のつく年もありますよ。でも農薬は使いません。そんな時は虫を寄せ付けないように、自然物で虫が嫌いな臭いのものをまくとか発酵物を利用するとか、いろいろやります。でも収量が減ってしまう場合もあります。」

収量が減る、ということは農家としては収入が減るということです。「自分の子供にも、うちの米は食べさせています。子供が安心して食べられる、食べさせられる米をつくり続けたいじゃないですか」木村さんの考えは常にシンプルです。

「完熟米」をめざし、収穫は1ヶ月かけゆっくりと行う

収穫は秋になったら一気に…というわけではないのが田伝むしの稲刈りです。
10月の上旬あたりから11月中旬まで、1ヶ月ほどかけて行っていきます。
「田んぼの様子を見ながら、このあたりはそろそろいいかな、という判断をしながら収穫していきます」。米を育てるのは土、そういう気持ちが木村さんは強い。

人間はいわばそのお手伝いをしている、そんな感覚もあるのかもしれません。
北上川周辺のこのあたりの土地は「黒ボク」と言われる真っ黒な土をしています。保湿がよく、栄養価が高く、稲作にとても適した土です。さらには長年農薬や化学肥料を使っていない土です。

「土で完熟させてあげる、そんなイメージですかね」と木村さん。
大地の栄養を最後までたっぷり吸い取ったササニシキを収穫しお客さんに届けたい、それが木村さんの仕事の総仕上げです。 田伝むしの米は、今年も例年通り良質な仕上がりをみせました。

そんなお米からできた「おこげせんべい」、食べてみたくありませんか?

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田伝むしのササニシキだけで作られたおせんべい。
たくましく育った農薬・化学肥料不使用のササニシキ100%を使っています。
さらに調味料も無添加にこだわり、香ばしいおせんべいに仕上げました。

揚げ油は米油。ぷっくりさくさくの軽い食感の中に、おこげの香ばしい香りとお米本来の甘みがじんわりと感じられます。
おやつはもちろん、お酒のおともにもとってもおすすめの一品です。

田伝むし(でんでんむし)

田伝むし

昭和63年から農薬や化学肥料を一切使わず
自然のエネルギーを循環させて
お米を作っています。
除草剤も使わず、毎日田んぼに出掛けて草むしり。
田んぼにもそこに住む虫たちにも
気持ちいい環境から生まれるササニシキは
味はもちろん強い生命力を持ったお米です。

住所|宮城県石巻市和渕字清水-93-1
TEL&FAX|0225-72-2480
http://www.denden999.com/

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